求職者支援資金融資でお金を借りられる人は?条件や審査基準をチェック

求職者支援資金融資でお金を借りるには?審査や借入の流れについて

失業中や次の仕事を探している間は、収入が少ないため経済的に困っている人も多くいます。

そういった場合には「求職者支援資金融資」で、仕事に就くまで毎月の生活費を借りられます。

求職者支援資金融資は、ハローワークを通して職業訓練に通っている人が毎月の生活費を借りられる制度です。

求職者支援資金融資でお金を借りるためには、審査の条件や借りるまでの流れを、申し込み前にしっかり確認しておきましょう。

求職者支援資金融資を使える人は?条件をチェック

求職者支援資金融資の対象となる人は、職業訓練に通っており「職業訓練受講給付金」を受給する予定のある人です。

職業訓練受講給付金(求職者支援制度)は、ハローワークを通して職業訓練へ通っている人が、修了するまで手当てを受けられる制度です。

職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
対象者 以下をすべて満たしている人
・ハローワークに求職の申し込みをしている
・職業訓練を受ける必要があるとハローワークが認めたか
・雇用保険の資格がないこと
・労働する意志と能力があること
支給額 月10万円
通所手当
(交通費)
職業訓練機関までの所定の交通費
寄宿手当 月10,700円
条件 支給には、以下を全て満たす必要があります
・本人の収入が8万円以下
・世帯全体の収入が25万円以下
・世帯全体の金融資産が300万円以下
・現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
・職業訓練の実施日にすべて出席している
・世帯の中に同様に給付金を受給している人がいない
・過去3年以内に、特定の給付金を不正受給していない

職業訓練は無料で通えますが、コースを修了して就職するまでは収入がない状態となります。

職業訓練受講給付金を使うと、月10万円の給付金を受けられるので、生活費などの足しになります。

職業訓練受講給付金を受給するには、支給条件をすべて満たしていなければなりません。
支給要件に該当しない場合、職業訓練受講給付金の審査に落ちてしまいます。
また職業訓練受講給付金の審査が厳しいと言われる所以は、職業訓練の実施日にすべて出席する必要があることです。
遅刻や欠席をしていると、職業訓練受講給付金の受給資格が失くなり、もらえなくなってしまうので注意しましょう。

ただし1ヶ月の生活費を、10万円だけでまかなえない人も多くいます。

そういった人でも追加でお金を借りられる制度が、「求職者支援資金融資」です。

求職者支援資金融資を説明する画像

定職に就いていない人がお金を借りようとしても、金融機関ではローン審査に通過するのは厳しいです。

求職者支援資金融資を利用すれば、職業訓練へ通っている間の生活費が苦しい期間を乗り越えられます。

職業訓練とは?

職業訓練は、就職するために必要な技術やスキルを、無料かつ給付金の手当てを受けながら身につけられる制度です。

ハロートレーニングとも呼ばれています。

職業訓練のコースにはワードやエクセルといったパソコンのスキルだけでなく、プログラミングなどのWeb関連、ネイリストなどの美容関連など、幅広い職種から選べます。

求職者支援資金融資で借りられる金額や金利はいくら?

ここからは求職者支援資金融資で借りられる金額や、金利について確認していきましょう。

求職者支援資金融資
対象者 職業訓練受講給付金を受給しても、生活費が不足している人。
貸付額 配偶者、子または父母のいずれかがいる場合
→月10万円まで × 受講予定訓練月数(最大12ヶ月)

それ以外の場合
→月5万円まで × 受講予定訓練月数(最大12ヶ月)
金利(年率) 0.03
担保・保証人 不要
返済期間 貸付終了日から5年以内
(貸付額が50万円以上の場合は、10年以内)

求職者支援資金融資で借りられる金額は、配偶者などがいるかどうかで異なります。

配偶者や子供がいる場合で、上限の月10万円を受給し、職業訓練に3ヶ月通うとその間は以下の金額を受け取れます。

職業訓練受講給付金 … 10万円 × 3ヶ月 = 30万円
求職者支援資金融資 … 10万円 × 3ヶ月 = 30万円
合計 … 60万円

合計60万円のお金を用意できます。
1ヶ月の生活費が20万円までであれば、十分に生活していける金額となります。

求職者支援資金融資は、あくまでも貸付制度です。
生活に必要最低限の金額だけを、借りるようにしましょう。

金利は3.0%に設定されています。

これは消費者金融や銀行のカードローンといった、手軽にお金を借りられるローンと比較すると、かなりの低金利に設定されています。

借入方法 金利(年率)
求職者支援資金融資 3.0%
一般的な消費者金融カードローン 18.0%
一般的な銀行カードローン 14.5%

※各金融機関により、細かな金利の設定は異なります。

求職者支援資金融資は金融機関でお金を借りた場合と比べて、10%以上も低い金利に設定されています。

例えば30万円を1年かけて返済する場合、それぞれの利息はこのようになります。

求職者支援資金融資…9,000円
消費者金融カードローン※…54,000円
銀行カードローン※…43,500円

金融機関では4〜5万円の利息が発生します。

それに対し求職者支援資金融資では1万円以下の利息となっており、返済の負担が少ないです。

求職者支援資金融資は、求職者の支援を目的に実施されています。

そのため貸付による利益によって事業を運営している金融機関よりも、低金利でお金を借りられるのです。

求職者支援資金融資の返済期間は?返済免除ができない注意点も

求職者支援資金融資の返済期間は、貸付終了日から5年間です。

ただし返済期間は引き伸ばせば伸ばすほど金利による負担が膨らむため、無理のない範囲で早く返せるように計画しましょう。

各金融機関のサイトにあるシミュレーションに「借りる金額・金利・返済期間」を入力すると、毎月の返済額を計算できます。

>>元利均等返済額試算シミュレーション : 三井住友銀行

求職者支援資金融資の返済額を調べる場合は、金利を3.0%に設定しましょう。

また職業訓練終了後の4ヶ月は「据置期間」と呼ばれ、返済するのは利息分のみとなります。

職業訓練が終わったばかりの時期は、すぐに仕事が見つからない、給料が安定しないなどの理由で返済が難しくなります。

その間に返済の負担が少なくなるのは、求職者にとって嬉しいです。

注意しておきたいのは、求職者支援資金融資は返済の免除ができない点です。

月10万円の職業訓練受講給付金は給付金としてそのまま受け取れますが、求職者支援資金融資は返済しなければなりません。

職業訓練が終わった後も仕事が見つからず、収入がない状態でも返済免除はできませんので気をつけましょう。

今後の返済に不安がある人は、国の支援制度を利用する手もあります。

失業者や休業者を対象に実施されている「総合支援資金」や「緊急小口資金」は、収入が
安定しない時期が続く場合などに、返済の免除が可能です。

こちらの記事では、国からお金を借りる支援制度について詳しく解説しています。

国からお金を借りる制度

国からお金を借りる方法14選!個人が利用できる公的融資制度を条件別で一挙紹介

求職者支援資金融資の審査基準と審査にかかる時間

求職者支援資金融資を受けるためには、ハローワークで申し込み後の審査に通過する必要があります。

審査をして貸付実施するのは、労働金庫(ろうきん)です。
まだろうきんの口座を持っていない人は、新規で口座を開設してから、貸付の審査を受けます。

労働金庫(ろうきん)とは?

ろうきんは、労働者が主体となって運営する金融機関です。

銀行と同じようなサービスを提供していますが、銀行が利益を得るために運営されている事業であるのに対し、ろうきんは働く人がお互いを助け合うために運営されています。

ろうきんでは銀行よりも有利な条件でお金を借りられますが、その分審査もきびしい傾向があります。

金融機関の審査において注意しておきたいのが、個人の「信用情報」です。

信用情報とは?
信用情報とは、過去のローンやクレジットカードなどの利用履歴が記録されたものです。
各金融機関は審査の際、信用情報を元に申込者に返済能力があるかを判断します。

現在消費者金融などで多額の借金がある、車のローンを滞納しているなどがあると、審査に落ちる確率が高いです。

配偶者がいる場合は、本人だけでなく相手の信用情報も審査に影響します。

ろうきんの詳しい情報は、こちらの記事で解説しています。

ろうきんでお金を借りるメリット

労金(ろうきん)でお金を借りるなら?メリットと条件、審査の流れ

労働金庫(ろうきん)の審査は時間がかかる

労働金庫(ろうきん)へ申し込みをしてから審査結果が通知されるまでは、最低でも1週間以上はかかります。

長引いた場合、お金を借りるまでに1ヶ月以上かかるケースも考えられるため、求職者支援資金融資の利用が決まったらなるべく早めに申し込みを済ませましょう。

求職者支援資金融資まで待てず、早めにお金が必要な人は、担保を元に借りる方法もあります。

  • 質屋
  • 不動産担保ローン
  • 生命保険契約者貸付制度
  • 年金担保融資

これらの方法でお金を借りると、本人の収入状況に関係なく借りられるうえに、審査も必要ありません。

無職で即日お金を借りたい人は、こちらの記事で各方法を詳しく解説しています。

無職がお金を借りる方法は6つ!失業中のニート・学生・主婦など属性別に解説

求職者支援資金融資の申し込みに必要な書類は?

求職者支援資金融資の申し込みには、以下の書類を用意する必要があります。

  • 求職者支援資金融資要件確認書
  • 職業訓練受講給付金の支給を証明できる書類
  • 本人確認書類

「求職者支援資金融資要件確認書」は、ハローワークへ提出する貸付の申込書です。

求職者支援資金融資を希望する人は、本当に融資を受ける必要があり、返済する意思があると判断されれば、申込書を受け取れます。

ハローワークへ申込書を提出した後は、労働金庫(ろうきん)へ「職業訓練受講給付金」を受給したことが分かる書類を提出します。

給付金を受け取ると渡される「給付金支給記録」のコピーを用意しておきましょう。

また申し込みには、免許証などの本人確認書類が必要です。

退職前に使用していた健康保険証は、失効していると本人確認には使えません。
免許証を持っていない人は、顔写真付きで本人確認に使いやすいマイナンバーカードを発行しておくのがおすすめです。

求職者支援資金融資の不正受給に注意!

もし求職者支援資金融資を不正に借りていると発覚した場合は、ただちに全額を一括で返済する必要があります。

書類に記入する内容や自分の身分を偽って融資を受けると、詐欺罪で訴えられる可能性まであるので、気をつけましょう。

また職業訓練受講給付金を悪質な不正受給で受け取ると、不正受給額を3倍にしての返済を命じられる可能性もあります。

求職者支援制度について

  • 不正受給について、不正受給額(3倍額まで)の納付・返還のペナルティあり。

(参照元:求職者支援制度について

実際に以下の事例では、職業訓練の出席情報を偽って求職者支援制度を不正受給しており、不正受給分の2倍を納付することとなりました。

訓練実施施設が受講証明を偽ったことによる悪質な不正受給であることから、不正受給者19名に対し、不正受給額の2倍に相当する10,215,120円の納付を命令した。

また、訓練実施機関である(株)フェザーインターナショナルに対しても不正受給者と同額の連帯返還命令及び連帯納付命令を行っている。
(参照元:求職者支援訓練に係る不正事案の公表について | 東京労働局

こちらの事例では、職業訓練実施機関から求職者に不正受給を促されています。

話に乗ると自分にもペナルティが課せられるため、絶対に不正受給はしないようにしましょう。