生活保護費はいくらもらえる?生活保護の計算式をわかりやすく解説!

生活保護とは、日本国憲法第25条にある「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」にしたがって制定された公的制度です。

国民の誰もが生活保護に申請できる権利があり、生活に困っている人をサポートする制度となっています。

そうはいっても、生活保護費は計算がややこしく「結局いくらもらえるのか?」「自分は受給対象になるのか?」わからない人も多いのが現状。

そこで当サイトでは、生活保護費の計算式をどこよりもわかりやすく紹介!
具体的にもらえる金額から、生活保護を受給できるかどうか、受給までの流れをまとめました。

生活保護費の内訳と受給できる条件をチェック

生活保護を受給できる条件は次の4つ。

生活保護を受給できる条件一覧
  • 利用可能な資産(家や車、財産など)を保持していないこと

家や車、財産が手元にない場合、それらを売却したり担保にできないと判断されます。
生命保険や貯金など、担保にできるものがあると、まずはそれらの活用を促されるケースが多いです。

  • なんらかの理由で働けない環境であること

病気や怪我により働けないと、収入を得るのが難しいと判断されます。身体的な病気だけでなく、精神的な病気も対象です。

  • 公的融資や制度を利用していないこと

国の制度を利用してお金を借りたり、補助を受けている人は、内容によっては生活保護が不要だと判断されます。

  • 親族からの援助を受けられない状況であること

家族から援助をもらえる状況にある人は、親族に頼ることを促されます。ただし扶養義務のある親族であっても、援助を受けられない理由があれば生活保護受給の対象となります。

上記の条件に当てはまった上で、「世帯収入が最低生活費よりも少ない」と判断された場合に、生活保護の受給資格が与えられます。

最低生活費とは何か説明する画像

最低生活費とは、厚生労働大臣によって定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な生活費」のこと。

簡単に要約すると「生きていくのに必要なお金」のことで、最低生活費を収入で賄えない人の生活費をサポートするのが生活保護の目的です。

生活保護受給者も10万円支給の対象|新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの影響で、国民全員に支給される10万円の特別定額給付金。

国民全員に一律で10万円が給付される制度なので、生活保護受給者も支給の対象となります。

通常、公的給付や融資を受けている人は生活保護を受けられませんが、特別定額給付金の場合は、コロナウイルスによる特例扱いとなるため給付金10万円をもらった上で、生活保護を受けられます。

また生活保護を受けている場合、収入があった場合は、ケースワーカーへの申告が必要で、収入の分を生活保護費から引いて計算を行いますが、今回の給付金10万円は収入として加算されません。

コロナウイルスの影響で生活がさらに困窮している人は、給付金も合わせて申請を行いましょう!

生活保護費はいくら?最新の計算式から試算してみよう

さきほど、生きていくのに必要なお金(最低生活費)を国でサポートするのが生活保護の目的と述べました。
生活保護では、最低生活費がそのまま生活保護費となるケースが多いです。

とはいえ適当に計算しているわけでなく、生活保護の費用は国の基準できちんと計算されます。

計算する上で重要なのが生活保護における8つの扶助
実は生活保護は8種類に分かれており、審査によってその人に必要だと判断された費用が支給されます。

最低生活費(生活保護費)の内訳
生活保護の種類目的
生活扶助日常生活を送る上で必要な費用
住宅扶助住居に住むための家賃
教育扶助子供が義務教育を受けるのに必要な費用
医療扶助生活に困窮している人が医療サービスを受けるための費用
介護扶助生活に困窮している人が介護サービスを受けるための費用
出産扶助出産にかかる入院費や衛生用品の費用
生業扶助就職に必要な技能の習得にかかる費用
葬祭扶助遺族が生活に困窮していて、かつ他に補助してくれる人がいない場合の葬式費用

これらの扶助を合計した金額が生活保護費となります。
この中でも生活保護費のメインとなるのが「生活扶助」です。

生活する上で欠かせない生活扶助

生活扶助は食費や電気代・水道代などの光熱費、洋服代のように、日常生活を送る上で欠かせない費用のこと。
いわば実際の生活費になる部分なので、国の生活保護費の30%が生活扶助となっています。

生活扶助は地域や年齢、世帯人数で人によってもらえる金額が違います。
どれくらいの差が出るのか、実際の支給例を元に見ていきましょう。

生活扶助の支給例
対象生活扶助基準額
東京都23区に在住の30歳男性(単身)77,730円
愛知県豊根村に在住の40歳女性(単身)66,280円
神奈川県横浜市に在住の42歳女性と中学生の子供(2人世帯)122,980円
島根県雲南市に在住の65歳男性と72歳女性(2人世帯)101,180円
静岡県沼津市に在住の41歳母と45歳父、小学生の子供(3人世帯)138,830円

※正式な金額は記載のものと異なる場合があります。

この金額を見ると少ないと感じるかもしれませんが、一般的にはこの金額に住居費用となる「住宅扶助」を上乗せされるケースが多いです。

生活保護費がわかる計算ツール

生活保護費がどれくらいなのか知りたい人へ、簡単にわかる計算ツールを用意しました。

最新の令和元年(2019年)10月改定のデータを基に、生活保護費の概算額を自動計算できます。
住んでいる都道府県・市町村、世帯構成を入力して計算してみてください。

正確な生活保護費は最寄りの役所で出してもらえます。
生活保護費がどれくらいなのか、目安の計算として使ってみてください。

1. 「都道府県」選択

お住まいの都道府県・市町村を選択して下さい。

2. 「市町村」選択

お住まいの市町村を選択して下さい。

3. 「世帯構成」入力

人数を半角数字で入力してください。

4. 「障害者」・「母子世帯」加算

「障害者」あるいは「母子世帯」に該当する場合、生活扶助が加算されます。
※ただし「障害者」加算、「母子世帯」加算を同時に適用することはできません。

計算結果

生活保護費 :

内訳

生活扶助基準額
障害者加算
母子加算
児童養育費
住宅扶助基準額

生活保護費の計算方法は?やり方をまとめてみた

具体的に生活扶助の金額を出すための計算方法は以下のとおりとなっています。

生活保護費は突然の不況でも均衡を保てるよう、5年に一度、全国の消費実態調査で見直されています。ここで紹介するのは、令和元年10月に見直された最新の計算式です。
生活保護費の計算式を説明する画像

この計算式に沿って順番に計算していけば、大体の費用感を把握できます。ただし非常にややこしくなっているので、正確な金額は福祉事務所できちんと出してもらうようにしましょう。

生活扶助基準額を計算する

生活扶助の費用を計算するためにはまず、自身の基準額を知らなければなりません。
計算には基準額を3つ出す必要があります。

生活扶助の計算式を説明する画像

基準額を3つ出すのは、受給する年によって不公平になるのを防ぐため。

生活扶助の金額は地域や年齢、世帯人数によって不平等にならないよう、次のような基準を元に計算されます。

生活扶助の基準
  • 住んでいる地域
  • 年齢
  • 世帯人数
住んでいる地域

まず見るべきは自分が住んでいる地域です。
生活扶助の基準では、地域によって以下のように分けられています。

  • 1級地-1.2
  • 2級地-1.2
  • 3級地-1.2

基準に地域を設けている理由は、地域によって物価や地価が異なるため。
物価や地価が高い都心と安い地方の支給額が同じでは、都心に住む人が不利になってしまいます。

まずは住んでいる地域の級地区分を確認してみましょう!


自分の級地区分をチェックする
級地区分地域
1級地-1東京都23区、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、福生市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、稲城市、西東京市、川口市、さいたま市、横浜市、川崎市、鎌倉市、藤沢市、逗子市、大和市、三浦郡、葉山町、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、豊中市、池田市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、寝屋川市、松原市、大東市、箕面市、門真市、摂津市、東大阪市、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市、川西市
1級地-2札幌市、江別市、仙台市、所沢市、蕨市、戸田市、朝霞市、和光市、新座市、千葉市、市川市、船橋市、松戸市、習志野市、浦安市、青梅市、武蔵村山市、横須賀市、平塚市、小田原市、茅ヶ崎市、相模原市、三浦市、秦野市、厚木市、座間市、大津市、宇治市、向日市、長岡京市、大阪府、岸和田市、泉大津市、貝塚市、和泉市、高石市、藤井寺市、四條畷市、交野市、泉北郡、忠岡町、姫路市、明石市、岡山県、岡山市、倉敷市、広島県、広島市、呉市、福山市、安芸郡、府中町、北九州市、福岡市 ほか
2級地-1函館市、小樽市、旭川市、室蘭市、釧路市、青森市、盛岡市、秋田市、山形市、福島市、水戸市、宇都宮市、前橋市、高崎市、川越市、熊谷市、野田市、佐倉市、柏市、羽村市、あきる野市、伊勢原市、海老名市、新潟市、富山市、高岡市、金沢市、福井市、甲府市、長野市、松本市、岐阜市、静岡市、浜松市、沼津市、豊橋市、岡崎市、一宮市、四日市市、城陽市、八幡市、京田辺市、草津市、泉佐野市、富田林市、河内長野市、奈良市、和歌山市、鳥取市、松江市、下関市、徳島市、高松市、松山市、高知市、久留米市、佐賀市、長崎市、熊本市、大分市、宮崎市、鹿児島市、那覇市 ほか
2級地-2夕張市、岩見沢市、日立市、土浦市、古河市、多治見市、瑞浪市、土岐市、豊川市、安城市、東海市、加古川市、高砂市、加古郡、松阪市、三原市、尾道市、大牟田市、直方市、飯塚市、田川市、宇部市、防府市、佐世保市、荒尾市 ほか
3級地-1北見市、網走市、留萌市、稚内市、美唄市、芦別市、赤平市、紋別市、八戸市、黒石市、鶴岡市、酒田市、新庄市、高萩市、牛久市、つくば市、ひたちなか市、東松山市、羽生市、鴻巣市、銚子市、館山市、木更津市、茂原市、見附市、村上市、魚津市、氷見市、敦賀市、小浜市、富士吉田市、都留市、半田市、津島市、碧南市、西尾市、鈴鹿市、名張市、彦根市、長浜市、洲本市、相生市、阪南市、米子市、津山市、竹原市、八女市、鹿屋市、宜野湾市 ほか
3級地-2上記以外の市町村

>>上記以外の級地区分をチェックする(PDF)

一般的に、大型都市や県庁所在地は1級地になる傾向があります。
地域だけで比較すると、支給額の多い20~40代で見ると8,170円の差となりました。


年齢

生活扶助の基準では、0歳~75歳以上で細かく分類されており、0歳児も対象となっています。

地域×年齢で基準額が決まるため、自分の級地と照らし合わせて金額を確認してみましょう。


年齢別の金額をチェックする

基準額1

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
0~2歳21,820円20,830円19,850円18,860円17,890円16,910円
3~5歳27,490円26,260円25,030円23,780円22,560円21,310円
6~11歳35,550円33,950円32,350円30,750円29,160円27,550円
12~17歳43,910円41,940円39,960円37,990円36,010円34,030円
18~19歳43,910円41,940円39,960円37,990円36,010円34,030円
20~40歳42,020円40,140円38,240円36,350円34,460円32,570円
41~59歳39,840円38,050円36,250円34,470円32,680円30,880円
60~64歳37,670円35,980円34,280円32,590円30,890円29,200円
65~69歳37,670円35,980円34,280円32,590円30,890円29,200円
70~74歳33,750円32,470円30,710円29,530円27,680円26,620円
75歳~33,750円32,470円30,710円29,530円27,680円26,620円

※テーブルは横にスライドできます。

基準額2

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
0~2歳27,040円25,880円24,440円23,870円22,810円21,860円
3~5歳30,390円29,100円27,470円26,840円25,650円24,560円
6~11歳34,880円33,380円31,530円30,790円29,420円28,180円
12~17歳39,720円38,030円35,910円35,070円33,510円32,100円
18~19歳39,720円38,030円35,910円35,070円33,510円32,100円
20~40歳38,970円37,310円35,230円34,410円32,880円31,500円
41~59歳39,920円38,200円36,070円35,230円33,680円32,260円
60~64歳39,540円37,850円35,730円34,910円33,350円31,960円
65~69歳39,540円37,850円35,730円34,910円33,350円31,960円
70~74歳34,310円32,840円31,010円30,290円28,940円27,730円
75歳~34,310円32,840円31,010円30,290円28,940円27,730円

※テーブルは横にスライドできます。

基準額3

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
0~2歳44,630円43,330円41,190円41,190円38,340円36,940円
3~5歳44,630円43,330円41,190円41,190円38,340円36,940円
6~11歳45,640円44,320円42,140円42,140円39,220円37,780円
12~17歳47,750円46,350円44,070円44,070円41,030円39,520円
18~19歳47,420円46,030円43,770円43,770円40,740円39,250円
20~40歳47,420円46,030円43,770円43,770円40,740円39,250円
41~59歳47,420円46,030円43,770円43,770円40,740円39,250円
60~64歳47,420円46,030円43,770円43,770円40,740円39,250円
65~69歳45,330円44,000円41,840円41,840円38,950円37,510円
70~74歳45,330円44,000円41,840円41,840円38,950円37,510円
75歳~40,920円39,730円37,780円37,780円35,160円33,870円

※テーブルは横にスライドできます。

名古屋市で一人暮らししている40歳のAさん(単身)を例にすると以下の金額となります。

  • 基準額1:42,020円
  • 基準額2:38,970円
  • 基準額3:47,420円

世帯人数

年齢の基準額がわかったら、世帯人数に応じて「逓減率(ていげんりつ)」を掛けます。
逓減率が設定されているのは、世帯人数によって費用が増えすぎるのを防ぐため。

単身者が不利を被らないよう、世帯人数が増えるごとに1人あたりの支給額は少なくなります。


世帯人員別の逓減率をチェックする

基準額1

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人1%%1%1%1%1%1%
2人1%1%1%1%1%1%
3人1%1%1%1%1%1%
4人0.95%0.95%0.95%0.95%0.95%0.95%
5人0.9%0.9%0.9%0.9%0.9%0.9%

※テーブルは横にスライドできます。

基準額2

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人1%1%1%1%1%1%
2人0.885%0.885%0.885%0.885%0.885%0.885%
3人0.835%0.835%0.835%0.835%0.835%0.835%
4人0.7675%0.7675%0.7675%0.7675%0.7675%0.7675%
5人0.714%0.714%0.714%0.714%0.714%0.714%

※テーブルは横にスライドできます。

基準額3

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人1%1%1%1%1%1%
2人0.8548%0.8548%0.8548%0.8548%0.8548%0.8548%
3人0.7151%0.7151%0.7151%0.7151%0.7151%0.7151%
4人0.601%0.601%0.601%0.601%0.601%0.601%
5人0.5683%0.5683%0.5683%0.5683%0.5683%0.5683%

※テーブルは横にスライドできます。

名古屋市に住むAさんは単身なので1%の逓減率となります。

  • 基準額1:42,020円×1%=42,020円
  • 基準額2:38,970円×1%=38,970円
  • 基準額3:47,420円×1%=47,420円

この金額に「生活扶助基準(第2類)」を足します。
第2類費は世帯で支出される費用なので、世帯人数を元に計算されます。


生活扶助(第2類)の金額をチェックする

基準額1

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人45,320円43,280円41,240円39,210円37,160円35,130円
2人50,160円47,910円45,640円43,390円41,130円38,870円
3人55,610円53,110円50,600円48,110円45,600円43,100円
4人57,560円54,970円52,390円49,780円47,200円44,610円
5人58,010円55,430円52,800円50,210円47,570円44,990円

※テーブルは横にスライドできます。

基準額2

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人41,380円39,600円37,400円36,540円34,910円33,440円
2人50,890円48,710円46,000円44,930円42,940円41,120円
3人60,000円57,430円54,230円52,970円50,620円48,480円
4人62,490円59,800円56,470円55,160円52,700円50,480円
5人66,610円63,760円60,210円58,810円56,200円53,840円

※テーブルは横にスライドできます。

基準額3

年齢1級地-11級地-22級地-12級地-23級地-13級地-2
1人28,890円27,690円27,690円27,690円27,690円27,690円
2人42,420円40,660円40,660円40,660円40,660円40,660円
3人47,060円45,110円45,110円45,110円45,110円45,110円
4人49,080円47,040円47,040円47,040円47,040円47,040円
5人49,110円47,070円47,070円47,070円47,070円47,070円

※テーブルは横にスライドできます。

名古屋市で一人暮らしをするAさんの場合、級地区分に基づき以下の金額を足していきます。

  • 基準額1:42,020円+45,320円=87,340円
  • 基準額2:38,970円+41,380円=80,350円
  • 基準額3:47,420円+28,890円=79,310円

地域、年齢、世帯人数をもとに、基準となる金額が出ました。この基準額を下の計算式に当てはめていきます。

生活扶助の計算式を説明する画像

少し複雑な計算式になるため、名古屋市在住のAさんを例に見ていきます。

基準額1✕0.9
87,340円✕0.9=78,606円
基準額2
80,350円

Aさんは基準額2の方が多いため、基準額2の金額で計算していきます。

基準額1✕0.855
87,340円×0.855=74,676円
基準額3
79,310円

こちらは基準額3の方が多いため、基準額3の金額で計算を進めます。
さらにこの金額に「生活扶助本体に係る経過的加算」を加えます。

生活扶助本体に係る経過的加算とは
平成30年10月の見直しに伴い加算される金額。地域、年齢、世帯人数に応じて110~2,660円が加算される。
参考:生活保護基準額表

Aさんの場合110円が加算されるため、最終的な計算式は次のようになります。

(80,350円✕1/3)+{(79,310円+110円)✕2/3}
=26,783円+52,947円
79,730円

この金額がAさんの生活扶助の基本となる金額です。

障害者・母子家庭・児童を養育する場合はさらに加算される

自身が障害者手帳を保持していたり、シングルマザー、また子供がいる世帯は、次のように加算されます。

障害者加算
条件1級地2級地3級地
身体障害者1・2級に該当する者26,810円24,940円23,060円
身体障害者3級に該当する者17,870円16,620円15,380円
児童養育加算
条件金額
3歳以上18歳まで10,190円
3歳未満11,820円
第3子以降の小学校修了前11,820円
母子家庭
条件1級地2級地3級地
児童1人20,30018,80017,500
児童2人24,20022,40020,800
3人以上の場合の1人あたりの額2,3002,2002,000

また上記以外に、寒冷地に住んでいる人には灯油代や暖房代を賄う「冬季加算」が期間限定で支給されます。

冬季加算の対象となっている地域例)
北海道・青森県・秋田県・岩手県・山形県・新潟県・石川県・福井県など

ここまでが生活保護の根幹となる「生活扶助」の金額です。

生活扶助にくわえ、

  • アパートの賃貸代を補助する「住宅扶助」
  • 義務教育の入学金・授業料を補助する「教育扶助」
  • 病気や怪我をして病院へかかったときの「医療扶助」
  • 自宅での介護にかかる費用を補助する「介護扶助」
  • 出産にかかるお金を補助する「出産扶助」

など、必要なお金を合算した金額が生活保護の費用となります。

先ほど例に挙げたAさんが住宅扶助で53,700円支給されると、79,730円+53,700円=133,430円が最終的な生活保護費です。

生活保護費の目安がわかったところで、実際に受給するまでの流れを見ていきましょう。

生活保護費を受給するまでの流れ

生活福祉事務所の窓口の写真
生活保護を受けるための流れは以下のとおりです。

  • 相談
  • 申請
  • 審査(調査)
  • 受給開始

福祉事務所に相談をしてから、受給開始となるまで2週間~1ヶ月程度の期間がかかります。

生活保護を受けるための相談

生活保護を受けるためには、自分の住んでいる地域の福祉事務所で申請を行わなければいけません。

福祉事務所は全国1,250箇所にあり、基本的には区役所と同じ建物内にあります。
>>自分の地域の福祉事務所を確認する(PDF)

住んでいる地域に福祉事務所がないときは、町村役場でも申請を受け付けてもらえます。

相談に行った当日にそのまま申請もできますが、申請前に事前相談に行くのが一般的です。

窓口や受付で「生活保護の申請がしたい」と伝えれば、担当者につないでもらえます。
生活保護の申請

生活保護の申請には書類や証明書は特に必要ありません。
福祉事務所に設置してある申請書にその場で記入して申請を行うのが一般的です。

生活保護申請書のイメージ画像

生活保護の申請書に記入する項目は次のような内容。

  • 現在の住所
  • 住所に住み始めた時期
  • 家族構成(続柄、年齢、生年月日、学歴、職業、健康状態など)
  • 世帯状況
  • 生活保護を申請する理由
  • 援助してくれる人の状況

家族の情報や申請理由はなかなかその場で思いつかないもの。申請前に情報を整理しておくのがおすすめです。

このほかに無収入を証明する「収入申告書」や、資産がないと証明する「資産申告書」があります。

福祉事務所によって必要書類は異なるため、あらかじめ本人確認書類や収入証明書類を持っていくと良いでしょう。

免許証やパスポートがない場合、福祉事務所へ行く前に役所へ寄って「戸籍謄本」や「住民票」を発行してもらうのも良いですね。

また申請には捺印が必要となります。当日の申請を希望するならば印鑑を持っていきましょう。

生活保護の申請を断られないためには?

生活保護は本当に生活に困っている人を助ける制度なので、誰もが審査に通るわけではありません。

本当に困っていても職員に他の制度を進められたり、申請を断られるケースも少なくないようです。

生活保護の申請時に必要な書類はありませんが、申請を認めてもらうために以下のような書類を用意しておくと話が通りやすくなる可能性もあります。

  • 離職票
  • 雇用保険受給資格者証
  • 預金通帳
  • 病気の診断書
  • 障害者手帳
  • 通院記録
生活保護の審査(調査)

生活保護に申請すると、受給しても問題ないか調査が行われます。
調査方法は主に3つ。

    • 家庭訪問

現在の生活状況の調査
働ける状況にあるかの調査

    • 扶養義務者への連絡

扶養する義務がある親や兄弟に援助してもらえるかの確認

    • 関係機関への照合

預貯金があるか、保険に入っているか、不動産や車は持っているかといった資産調査
他に受けている公的融資や制度はあるかの確認

この中で申請者の協力が必要なのは、福祉事務所の担当ケースワーカーによる家庭訪問です。

家庭訪問では申請者がどういう生活をしているか、他に人が出入りした形跡はないかをチェックされます。

過去にケースワーカーによる家庭訪問を受けた方からは「部屋全体を見られた」「通帳を見せてほしいと言われた」などの声がありました。

家庭訪問というと身構えてしまうものですが、タンスや押入れなど隅々までチェックされることはありません。
家庭訪問は原則拒否できず、受給に必要なので受け入れるようにしましょう。

家庭訪問に来る時間帯は?
自治体によって変わりますが、基本的には福祉事務所の営業時間である平日8時30~17時ごろを目安として実施されます。

また他に援助してもらえる親族がいないかを確認するため、扶養義務者(親や兄弟など)に連絡されるケースも。

ただし暴力によって世帯を離れたなど、連絡によって害を及ぼす場合は連絡なしで審査を受けられます。

受給決定から受給開始まで

調査の結果、生活保護受給してもいいと判断されると「保護開始決定通知書」が郵送されます。

決定の通知は原則14日以内と決められており、どんなに遅くても30日以内には通知書が送られます。

受給が決定すると申請日までさかのぼった金額が口座に振り込まれます。

生活保護費は銀行口座への振込が一般的です。口座を持っていない人は、振込用の口座を作るよう指示される場合があります。
また住宅扶助や医療扶助も合わせて受ける人は、医療機関や大家さんへ直接支払われます。

なお、生活保護の申請から決定までの生活費をまかなえないときは「臨時特例つなぎ資金貸付」と呼ばれる国の融資制度を利用可能です。

限度額は10万円で、生活保護の受給後に一括もしくは分割で返済を行います。

生活保護の申請が却下された場合は?
審査に通らなかったときは「保護開始却下通知書」が送られます。
福祉事務所の決定に対して納得がいかない場合は、不服申立てができ、再審査が可能です。
生活保護の毎月の支給日は?

生活保護費は毎月決まった日に振り込まれます。
支給日は自治体によって異なり、多くが月の初めを設定しています。

生活保護支給日の例
愛知県名古屋市 毎月1日
大阪府東大阪市 毎月2日
新潟県柏崎市 毎月2日
静岡県湖西市 毎月5日

生活保護はもらえる?もらえない?状況別FAQ

生活保護の申請で多く寄せられる疑問に回答しました。
状況別に生活保護をもらえるのか?もらえないのか?見ていきましょう。

収入がある人は生活保護を受けられる?

A.最低生活費から収入を差し引いた金額が支給されます。

現在働いていて収入がある人でも、最低生活費より収入が下回っているならば、収入を差し引いた分の金額を生活保護費として受け取れます。

最低生活費が12万円、収入が7万円と仮定すると、差し引いた5万円が生活保護費です。

収入は働いた給料以外にも、年金や資産(家・車)の売却金、各種保険金も収入としてみなされます。

最近ではメルカリやオークション、ポイントサイトで稼いだお金を申告せずにバレてしまうケースが増えているとの噂も。
どんな手段でもお金を手に入れた以上は収入とみなされ、申告しないと生活保護が打ち切られることもあるので注意が必要です。

家を持っている人は生活保護を受けられる?

A.持ち家に住んでいて売却が難しい場合は受給対象です。

現在持ち家に住んでいる人は、住居がなくなるとさらに生活に困窮してしまうため、家に住みながら生活保護を受けられます。

家があると住宅扶助の対象外となる場合が多く、生活扶助基準額がそのまま生活保護費になることが多いです。

ただし住んでいる家に資産価値があると判断されると、生活保護の申請前に売却を促される可能性も。
自治体によって基準額は異なりますが、売却金額が2,000万円を超えると受給が難しくなると言われています。

車を持っている人は生活保護を受けられる?

A.やむを得ない理由で必要ならば、車を持っていても生活保護を受けられます。

車も家と同様に資産として考えられるため、生活保護の申請前に売却を促されます。

ただし下記の場合は車を持ちながら生活保護を受けられる可能性も。

  • 住んでいる地域があまりにも田舎すぎて、車がないと通勤や通院ができない
  • 障害持ちなため車がないと移動できない
  • 自営業で車がどうしても必要

車がないと生活できない人のみが対象となるため、生活保護費を貯めて車を買うことはできません。

年金と生活保護はダブルで受給できる?

収入源が年金のみの人は年金の金額を差し引いて受給できます。

結論からいくと、年金と生活保護の同時受給は可能です。
対象となるのは、収入が年金のみの人で、最低生活費から年金の金額を差し引いた金額が生活保護費として支給されます。

また年金以外に働いて給料をもらっていたとしても、収入全体が最低生活費に満たない場合は生活保護費を受給できます。

最低生活費が11万円、年金が6万5千円とすると、4万5千円が生活保護費です。

住所がない人も生活保護を申請できる?

A.住所がなくても生活保護を受けられます。

住んでいる家がないホームレス状態の人は、申請先の福祉事務所を現在地として申請可能です。

ネットカフェや路上で生活していても、最寄りの福祉事務所で申請を行えば同じように調査を行ってもらえます。

借金がある人は生活保護を受けられる?

A.受けられますが借金の返済には充てられません。

借金がある人でも条件を満たしていれば生活保護を受けられます。
ただし借金の返済を目的として生活保護を受給してはいけません。

あくまでも生活に困った人を救済するための制度なので、消費者金融のカードローン、住宅ローンなどいかなる借金の返済にも充てられません。
生活保護費を借金返済に充てているとバレたら、生活保護が打ち切られる上に借金が残る最悪の状態になってしまいます。

返しきれない借金があるならば事前に債務整理を行い、自己破産も視野に入れておくべきでしょう。

生活保護を受けていると自己破産の費用を支援してもらえます。
自己破産後に生活保護受給も可能ですが、なるべく負担をなくしたいなら生活保護の申請後に自己破産についてケースワーカーへ相談してみるのも良いでしょう。

知っておきたい生活保護のデメリット

返済の必要もなく、最低限の生活を補償する生活保護ですが、もちろんデメリットもあります。

生活保護のデメリットは次のとおり。

  • 家や車、宝石を買えない
  • 保険に加入できない
  • クレジットカードを発行できない
  • ローンが組めずお金を借りられない
  • ケースワーカーに生活状況を確認される
  • 場合によっては引っ越しが必要

生活保護は資産となるものがあれば、切り崩してお金にしなければいけないため、家や車、宝石など贅沢品の購入はできません。

テレビやパソコン、ゲーム機は認められるケースが多いですが、ケースワーカーの訪問時に贅沢しているとみなされると、生活保護の受給がストップする可能性もあります。

また担保となる生命保険にも加入できません。

くわえて生活保護を受けていると1~3ヶ月に一度、ケースワーカーが家庭訪問に訪れます。
毎回「生活保護を受給する資格があるか?」「生活を立て直そうと努力しているか?」確認に来るため、人によっては生活を監視されている気分に陥るときもあるでしょう。

生活保護受給者はお金を借りられない

生活保護受給者は、クレジットカードやローンも返済能力がないとみなされ審査に通らなくなります。
そのため生活保護費だけで生活していくのが難しい状況でも、原則お金は借りられません

生活保護を受けながらお金を借りられる方法は「知人にお金を借りる」もしくは、やむを得ない事情に限り「市役所でお金を借りる」方法のみ。
生活保護でもお金を借りられるとうたっている金融会社は、闇金だと思っておいた方が良いでしょう。

生活保護受給者がお金を借りる方法については下記の記事で詳しく紹介しています。

生活保護受給者がお金を借りる最終手段!街金や消費者金融では借りられない?

あくまでも生活保護は、受給によって自立支援を促す制度です。
生活保護で立て直しを行い卒業できれば、クレジットカードの発行や贅沢品ももちろん購入できるようになりますよ。